今年度 第3回目の出前授業が開催されました ( 福島県立新地高校 )

posted 2019/03/25 category Blog

2月26日、福島県立新地高等学校にて、出前授業が実施されました。

今回の講師の方は、新地高校の身近な地域で農業を営み、震災後のピンチをチャンスにかえたというお二人です。

1. 講演

最初の先生は、古山浩司さん(古山果樹園代表)でした。

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古山さんは家業の農業を継いだ1年目に震災に遭い、作ったものが全く売れなくなった時、誰よりも美味しい桃を作ろうと決意し、誰よりも勉強したと言います。

「具体的に何を勉強したのですか?」という生徒の質問には、「まず最初に自分の土地の成分を調べた。そして、全国の農家の方にアポを取り、話を聞いて見学させてもらった」と答えられていました。現在は世界一甘い桃を作れるようになり、全国の百貨店から注文が入るようになったこと、1個2億円のリンゴ(ワンピース「悪魔の実」仕様)を売り出したところ、人が集まってインスタ映えすると言われ、注目を浴びるようになったことなどのエピソードから、震災で味わった一番つらい経験が今の自分の糧になっている、と締めくくっていただきました。

 

続いては、岩佐大輝さん(株式会社GRA代表取締役CEO)です。

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岩佐さんは、震災による津波で流されてしまった、故郷・山元町のイチゴ農家をなんとかしたいという思いから、会社を設立。イチゴを作るのは難しく、一人前になるのに10年、15年とかかります。そこで、美味しいイチゴを育てる「技」を、自分の得意なITとうまく組み合わせてなんとかできないかと考えます。この道40年の大ベテランである先輩の教えを請いながら、気象状況や生育状況など全てデータ化して管理、徐々に収穫量を拡大し「ミガキイチゴ」と名付けてブランディングに成功しました。

最後に「人生は良い時もあれば、悪い時もある。大変でも死ななければ何とかなる」とメッセージをいただきました。

2. 対談

続いて古山さん、岩佐さんによる対談が行われました。

(コーディネート:新地高校 高村先生)

まだまだ風評被害はあるが、人の記憶はどんどん薄れていくので、心配に思っている、逆境の中で本当に多くの人に助けてもらい、震災以降の絆が最大の財産になっているなどのお話を伺いました。さらに、これからの世代に向け具体的なアドバイスもいただきました。

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・若い世代への支援について

岩佐さん:イチゴ農家になりたい人に研修をして、今までの恩を返していきたい。町で働く人が増え、町が活性化するために注力していきたい。

古山さん:若い農業者が少ないのは農業者がその魅力を伝えてなかったから。農業をやりたい人を少しでも増やしていければというのが自分の恩返しと思っている。

 

・これからの若い世代がグローバル市場で打ち勝っていくためには、どんな技術やノウハウを身につければいいでしょうか?

<知ること、自分が知らないことをすることが重要>

岩佐さん:海外で勝つことも大切だが、まず日本の身近な人に喜ばれるサービスを作れないと。日本人に認められるような頭角を現すと、海外で戦う道が開ける。人脈を作ることが大切。何かで一番になろう。今できることで頭角を現すこと。それ以上の近道はない。今頑張ることが大切。

古山さん:まず興味をもってほしい。知ろうと思う気持ちが大事。目標を持てば、それに向かって思い切り努力できる。知ることを欲してほしい。情報量、知識量はものすごい武器になる。みんなには明るい未来が待っている。いち早く海外に行ってください!自分でお金を貯めて、自分の知らない場所にいってください。広がります。

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・どうやって仕事を選べばいいでしょうか?

また、新しいことにトライする勇気はどうやってできたのでしょうか?

<行動することが一番重要>

岩佐さん:世の中はやってみないとわからない。まずは行動することが一番重要。

勉強していても行動しなければ何も生まれない。

古山さん:自分に嘘をつかない。日本の大手企業は縦社会、年功序列が根深い。サラリーマンは、自分が努力しても報われないことが発生する。私は性格上できなかった。定年まで働いても、自信を持って楽しい人生とは言えないと思った。ハローワークに行ってみて、実家の農業が一番合っていると感じた。行動をおこしたから、今の自分がある。

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最後に生徒さんから質問がありました:

行動するにあたって、嫌なこともしないといけないと思いますけど、どう思いますか?

古山さん「嫌なことほどチャレンジしないと意味がないので、苦手をチャンスと思う様にしている」

岩佐さん「嫌だな、辛いなと思ったときはラッキーだなと思う。その時に差がつくチャンスです。良い時は変わらないが、悪い時に差がつく」

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