女川ー徳島 交流支援活動
年末 12月26日、27日の2日間、女川に行って来ました。
徳島県の徳島商業高校の高校生が、女川町立女川第二小学校の5、6年生とが1拍2日、
一緒に食事をし、遊び、泊まることで交流を深めていくものでした。
震災による精神的なストレスから解放された時間を提供したいというテーマで、夏にも開催しており、
今回が2回目でした。
私は女川第二小学校へ来るのが2度目でしたが、
前回(5月2日)、阿部教頭先生が「女川の『さざなみ太鼓』を復活させたい。」とおっしゃっていました。
さざなみ太鼓は、地域の伝統芸能で、5,6年生が色々な所で披露していたものです。
今回、津波で町の中に保管していた太鼓が流されてしまい、
十代目となる今年は難しいかもしれない・・・という不安がありました。
それから半年以上、阿部教頭をはじめ、徳島商業高校の高校生たちが、様々なところで呼びかけ、
全部ではないけれど、演奏ができるまでに太鼓が集まりました。
それまでは小学生たちは段ボールで練習していたそうです。
開会式での「さざなみ太鼓」披露は、会場中が聴き入り、その鼓動は、小学生とは思えない力強く美しいものでした。
段ボールでの練習からはじまり、今、本物のの太鼓が叩けるという目の前の現実に、
信じられないという思いでいっぱいでした。
「なんとしても、この太鼓を続けさせたい。」
この太鼓こそが、高校生たちの心を動かし、夏と冬に続く支援のきっかけにもなっています。
阿部教頭は、いつもは緊張感のある高学年の子どもたちが、開放的な気持ちで甘えられる存在としての
高校生の役割は大きいとおっしゃっていました。
プログラムが始まってすぐに本当の兄弟のように寄り添い、そして終わる頃には離れられないくらいに心から慕う様子が
それを何よりも物語っていました。
徳島県から前日の夕方にバス2台で出発し、翌日の午前10時に女川到着。
そこからフォトフレーム作り、ケーキ作り、お楽しみ会など様々なプログラムを高校生が中心となり進めていきます。
食事班は、到着後からすぐに準備を始め、昼食、夕飯、朝食、昼食と、全部で4回分の食事を作ります。
帰りもバスというハードなスケジュールにも関わらず、参加した高校生は、本当によく動き、
どんなに疲れていても常に子どもたちのために行動するという姿勢を身に付けていっていました。
交流をするにあたり、高校生は子どもたちとのコミュニケーションの他、
大量調理等の事前研修を行なっていますが、特時間通りに食事が出来上がり、準備から後片付けまでがスムーズ。
更には、食材を無駄にしないための臨機応変に献立の変更をしていく調理班のスキルの高さは、
他ではなかなかみられないものです。
こうした裏方さんの存在も、このプログラムの運営を支えています。
高校生にとって、普段、親や先生など周りの誰かが自分の為にやってくれることが当たり前になっていますが、
「自分が誰かの為にやる」という経験が成長のきっかけになるのだと思いました。
肉体的にも精神的にもハードな日程(高校生は3泊4日)にも関わらず、終了した時の彼らは
達成感に溢れ、頼もしい大人の顔でした。
この経験をした高校生たちは、きっと優しい大人になっていくのだろうと思います。
そして、小学生の子どもたちにとって、憧れのお兄さん、お姉さんになるのだろうと思いました。
今回の取材は、
1月15日(日)早朝 3時〜/再放送 22日(日)BS12 「未来への教科書 -For Our Children-」で放送します。
取材 復興支援メディア隊:青木/石山