#28「居場所を作るために」 現地責任者 荒木そうこさん
「集まるところが欲しいっていうところが、そもそもの出発点」。
今泉天満宮の宮司の娘さんである荒木さん。神社が津波で流され、何もなくなったところに、みんなが集まれる場所を建てようという話が持ち上がった。たくさんの人たちの善意で「にじのライブラリー」が建てられ、荒木さんは現地責任者として働いている。津波の被害を何とか耐えた御神木が、ライブラリーのシンボル。この地域の復興のシンボルにもなっている。
オアシスのような場所
施設には本を読む目的の人だけでなく、お喋りをするために足を運ぶ人、ボランティア活動をしている外部の人も立ち寄っている。図書館としてだけでなく、誰もが気軽に立ち寄れるオアシスのような場。公民館的な役割も担っている。
人を繋ぐ本
本の大切さを改めて実感しているという荒木さん。ライブラリーでは、テレビの喧騒に堪えられなくなった被災した人の心に、本がそっと寄り添う光景をよく目にする。孫を膝に乗せて読み聞かせをしたり、静かに文字を追ったり―。本が自分自身と向き合う時間をつくるだけでなく、人と人をつなげる役割を果たしていると実感している。
縦の繋がりを大切にしたい
「縦の繋がりが大切にしたい」と、語る荒木さん。横取り、横やり、横暴、横柄―。昔の人は「横」というものを恥ずかしいことにし、縦の繋がりを大切にしていたという。自分が何をすべきかを考えたとき、人と比べて損得を考えるのではなく、高いところで価値観が一致していれば、世のためになるとう気持ちだけで動けるはず。にじのライブラリーは、多くの人の縦のつながりを軸に裾野が広がっている。
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BS12「未来への教科書-For Our Children-」 #28 居場所を作るために~岩手県陸前高田市~
放送日 7月3日(火) 18:00 ~ 19:00 ※プロ野球中継のため休止 /7月7日(土) 27:00 ~ 28:00 /
7月10日(火) 18:00 ~ 19:00 /7月14日(土) 27:00 ~ 28:00