#30「東北観光博〜人とつながる旅〜」 観光庁観光地域振興課長 七條牧生さん
東北と各地を結ぶ
「こころをむすび、出会いをつくる」。東北への旅行需要が落ち込む中、需要回復のために「東北観光博」が企画された。観光庁 観光地域振興課長である七條さんは、人と人との結びつきをコンセプトに活動している。
28通りの「ありがとう」
東北観光博の基軸は「お客さんと地域の方々がたくさん触れ合う」。新しい1つの仕組みとして、まずパスポートを作った。パスポートを持って地域に出向くと、様々な特典が受けられると同時に、「よく来てくださいましたね」「ありがとう」といった意味の方言スタンプを押してくれる。方言の宝庫でもある東北はそれぞれ言葉使いも違う。全28ゾーンに1スタンプ、28通りの「ありがとう」を用意している。
根っこにあるのは“被災地の復興”
28ゾーンに被災地はまだ入っていない。「1つの拠点になれば」という思いで、七條さんは「復興屋台村 気仙沼横丁」を訪れた。22店舗の飲食店や鮮魚店が並ぶ、活気溢れる場所だ。1つずつの店は小さいが個性があり、人と人との結びつきを確かに感じた。
東北観光博自体は「短期的に落ち込んだ旅行需要の回復」という名目だが、その根元にあるのは被災地復興。被災地の人達は今、観光という状況ではないのかも知れない。しかし、七條さんは将来を見据え、人と人との交流の大事さを説く。「手伝えることがあれば一緒にやっていきたい」。
「成功するかどうか、それはやってみないとわからない」
人口減少、過疎化、高齢化が進む中で、地域をどう活性化させていくのか。ただ単にイベントを起こして短期的に観光客を呼び込むのではない。地域の産業や日常生活を活かし、お客さんと地域の人が触れ合いながら作り上げてリピーターを増やしていく。一過性ではなく将来へ繋がる観光づくり。東北観光博がそのきっかけになればと、そんな思いで活動している。もちろん1年やそこらで出来る話ではない。だがその地域づくりの延長線上に、観光の未来がある。
「大きなヒントは、住んでよし訪れてよしというテーマの中に含まれてる感じがする」。どうやったら地域が良くなるのかという考えが、観光という形で表現できる。「精いっぱいやるに値する仕事だ」と、七條さんは語った。
BS12ch TwellV
8月7日(火)、14日(火)18:00~19:00
8月12日(日)、19日(日)早朝3:00~4:00