♯37「徳島商業高等学校~女川第二小学校受け入れプログラム~」徳島商業高等学校教諭 鈴鹿剛さん

posted 2012/12/05 category 未来への教科書 Documentary Report

高校生と、被災地小学生とのキャンプ交流

 徳島商業高等学校で教諭を務める鈴鹿先生。県の教育委員会からの要請で、震災被害を受けた女川第二小学校との交流会を指揮している。一番最初の交流会は2011年8月。その3か月前に女川へ視察に訪れた鈴鹿先生は、見渡す限りの瓦礫の山に迎えられ、「なんかすごい所に来たな」と困惑を露わにした。現地の状況も含め、キャンプでの交流を提案した。課題は、子供たちの心の解放だ。

事前の研修が成功へのカギ

 交流会には鈴鹿先生の前任校である小松島西高校の生徒たちも参加し、2校合同での開催となった。事前に、炊飯の仕方や子供たちの現状、こういった言葉は使わないように、などの研修をしたため、交流会は無事成功した。自分たちが知らない大きな経験をした子ども達と交流したことで、高校生にも大きな成長が見られたという。女川の子ども達が楽しみにしてくれていることもあり、「やろう!」と思う次回への原動力に繋がっている。

2012年8月の研修、3度目の交流会に向けて

 午前中は鈴鹿先生が被災地の映像を見せながら、子供たちと接する際の注意点など解説した。映像鑑賞後は、前回の交流会で被災地に入った生徒たちがマイクを持って現地の様子を発表。自分が見て感じたことを、飾らないまっすぐな気持ちで打ち明けた。

 午後は小学生たちの引率担当班と食事担当班に分かれ、各自で当日を想定した作業の確認をした。引率担当班は小学生と遊ぶ可能性のある川を実際に訪れ、気付いたことをメモしていく。月末の交流会に向けて、皆が団結していた。

鈴鹿先生にとっての使命のひとつは、生徒たちの可能性を押し広げること。

 「近頃の若いもんはだめだって言うんじゃなくて、若い子の可能性を信じる」。可能性を広げる場を与えること、その勇気が大事だと鈴鹿先生は語る。与えられることによって、子どもたち自身が自分の持つものを発揮し、自信へと繋げていく。

 鈴鹿先生は今後も支援活動を続けていくつもりだという。支援した子ども達、された子ども達が成長していく様を思い浮かべ、「どんどんこっち側もハマっていくような感じがしています」と目を細めた。

BS12ch TwellV

11月20日、25日、27日、12月2日に放送されました。