♯40「前を向くちから ~中高生が向かい合っている震災~」大船渡市立第一中学校 校長 石山宣昭さん
3.11後、災害関連の施設として機能し始めた中学校。子ども達は
岩手県大船渡市は、国道を境にした海側と山側で被害が大きく二分した。大船渡市立第一中学校は山側に位置していたため校舎に被害はなく、約8割の生徒たちも被害を免れたという。
震災の翌日、6~7人の生徒が学校を訪れて「私達に出来ることはありませんか」と申し出た。石山さんは震災で打ちひしがれた状況を見て、“元気のある言葉”を書いてほしいと返事をした。「私たちは災害にも負けません」「心一つにして頑張りましょう」そんなフレーズが、子ども達によって校門前に張り出された。私達に出来ることを。希望新聞、第1号発行
生徒達は積極的に地域の家を回り、「なにか出来ることはありませんか」と声をかけた。同時に「希望新聞」という名の学校新聞を発行し、避難所や郵便局に配り始めた。現在26号まで発行されている希望新聞は、地域同士の情報交換の媒体になったりなど、状況に応じて柔軟な変化を見せている。
一緒に活動することによって深めた思いを、更に記事にし伝えていく。新聞を使っての“子ども達からの発信”は大きな手段だと感じた。
その後県外の学校とも交流が広がり、希望新聞はより多くの人に読まれることになった。そうして生まれた縁で、さいたま市立指扇中学校の校長から講演を依頼された石山さんは、震災時の状況、希望新聞の発行などについてを語った。
被災地というものを風化させないでほしい。そして、自分たちに一体なにが出来るのかということは、例え離れた所であろうと自分たちで考え取り組んでほしい。「皆さんは希望と夢という言葉、どっちが好きですか。希望というのは自分がどれだけ近づくかということです。前向きに進むかということです」。夢と希望を持った子ども達に、大きく羽ばたいてほしいという思いを壇上で語った。
BS12ch TwellV
1月1日、5日、8日、12日に放送されました。