♯43「伝統工芸品の復興、そして進化へ」有限会社 会津食のルネッサンス 代表取締役 本田勝之助さん

posted 2013/03/01 category 未来への教科書 Documentary Report

伝統工芸品とデザイナーのマッチング

 株式会社ジェイアール東日本企画が運営する、未来への「じまんの一品づくり」プロジェクト。コーディネーターを務める本田さんは会津若松市の出身で、震災後、現代のライフスタイルに合った魅力的な商品を生みだそうと尽力している。コーディネートするのは歴史ある伝統工芸品とデザイナーだ。古きを守る伝統工芸と、柔軟な発想を持ったデザイナーとを掛け合わせることで、伝統産業を進化させることが出来ると考えている。

伝統技術に新たな風。デザイナーの手腕

 2012年12月上旬、東京から訪れたデザイナーとともに福島の企業を視察。NHKで放映中の大河ドラマにちなみ製品を改良するなど、流行に合わせた提案や、特性を活かした新商品の開発を手掛けた。技術の強みと、それを外から見た柔軟な発想。作り手側と使い手側の期待の違いを意識し、新しくセッションすることが、伝統が残っていく一つの方法論だという。

地域間連携による新しい商品づくりも

 会津木綿の多彩な縞模様の技術を受け継ぐ会津若松市の「山田木綿織元」と、岡山県倉敷市のジーンズメーカー「株式会社ベティスミス」とのコラボレーションを実現させ、手提げバッグを新開発した。互いの長所を活かし、足りない部分を補い合うこと。それまでなかった技術や違った地域の素材を取り入れることで、プロダクトや素材の進化が生まれてくる。

広がる企業間連携。イタリアブランドとのコラボ

 本田さんの活動は国内に留まらない。今回、イタリアのバッグを中心としたブランド「オロビアンコ」と磐梯町「榮川酒造株式会社」を連携させ、イタリアンの口に合う辛口酒の開発に成功した。東北復興に特別な思い入れがあるというオロビアンコのジャコモ氏との交流は、互いに刺激ある取り組みとなった。

 もうすぐ震災から2年。本田さんは、支援に対して報いられるような人間になっていくことが一番の福島の魅力になると語った。

BS12ch TwellV

2月19日(火)、26日(火)18:00~19:00
2月24日(日)、3月3
日(日)早朝3:00~4:00