学校法人朴沢学園 明成高等学校 高橋信壮教諭
復興支援メディア隊 竹節です。
11月14,15日 宮城県・仙台市に行ってきました。今回は2回に分けてレポートします。
学校法人朴沢学園明成高等学校で調理科の先生を勤める高橋先生は、自身が被災をし家族は全員無事だったものの
家も車も流されました。
高橋先生は今から3年前、恩師から1冊の本を渡された。
その本のタイトルは「ハクサイの絵本」。
その本を見て、これほど仙台の地域に絡んだ食材はないと衝撃を受けたと言う。
白菜は約100年前に中国から伝わり、日本では最初鑑賞用の植物だった。
当時白菜の栽培はとても困難だった中、松島で初めて栽培に成功し、以後、白菜なしには
仙台の歴史・食文化・学校教育などは語れないほど。
また当時は高級食材で、仙台から全国に流通されていたという。
この高校の調理科には「リエゾンキッチン」という授業とは別の地域と連携したプロジェクトがあり、
高橋先生はそこで地域に絡んだ様々なワークショップや料理教室などを行っている。
運命的な本に出会った高橋先生は、その本をなぞるように生徒たちと一緒にワークショップを実施していった。
本場のぺチャキムチを学びに、韓国の光州市と交流関係を結びに訪韓し、アブラナ科の白菜のルーツを知りに
トルコに行ったほど。
先生はこの白菜を通じてふるさと作りをしたいという。
「震災復興で宮城の伝統野菜を食べよう、白菜は塩害に強いらしいから食べよう」ということも大切だが、
もっと地域に深く根付く食文化を多くの人に知ってもらい、それを活かして新しい食文化のカタチを
築いていきたいという。
それがこれから食を通じて復興と共に歩んでいく大切なこと。
またリエゾンキッチンで企業と共同開発した商品の販売利益などで100冊の「ハクサイの本」を購入し、
学校や自治体に食育の教材として手渡しでプレゼントしている。
仙台白菜を伝える「種本」。
仙台にまつわる白菜の歴史や文化を伝え、知ってもらう中で多くのつながりができればと言う。
明成高等学校調理科が大切にしている「Origin ×ハート=Originality」
仙台の身近にあった食で、新しい食文化と復興のカタチの芽が咲き始めている。
BS12 「未来への教科書 -For Our Children-」にて放映予定。
12月3日・10日(土) BS12 TwellV 27:00~ 第14回「震災と食 Vol.2」にて
復興支援メディア隊・竹節友樹