#36 「自然と共存する社会」森林との共生を考える会 阿部鴻文さん
森林との共生を考える会は、「健全な森林の育成、森林文化の復権、国産材の利用促進」を目的に2001年に発足したNPO法人だ。森林を守ることと木材を使うことの両面にスポットを当て、森林と住まいに関する勉強会や体験会を開催している。2011年の震災以降は、津波による被害を受けた海岸林の調査にも乗り出している。
震災時、天然の防潮堤として機能し多くの命を救った宮城県亘理町の海岸林。津波になぎ倒され、1500ヘクタール以上を失った。海水の塩によって枯れてしまったものも多いという。しかし調査の結果、海水に強い樹種と弱い樹種があることが分かってきたという。砂の移動を防ぎ、潮風から守ってくれる海岸林。再生には50年、100年とかかるため、長期的な視野の中で次世代に伝えていき残していきたいと阿部さんは語る。
9月12、13日と「三井物産環境基金 助成団体交流会」が開催された
群馬県で開かれたこの交流会は、復興助成として支給された基金を元に、それぞれの団体が研究・調査をし、その結果を報告しあうものだ。団体同士の連携や研究成果を広めることを目的に、ワークショップ形式で様々な議論が重ねられた。参加した阿部さんは、様々な分野の活動に触れ、「今後何か連携できることがあればていきたい」と思いを新たにした。
阿部さんは、森林とは一つの環境でもあり資源でもあると語る。人間と森林の関わりを考えながら、木の文化、林業の振興、森林の整備という3つのテーマの調和を目指している。「これからも次の世代に森林を残していくため、森林との共生を考え、活動を行っていきたい」。じっと緑を見つめる瞳に迷いはない。
BS12ch TwellV
11月6日(火)、13日(火)18:00~19:00
11月11日(日)、18日(日)早朝3:00~4:00