♯39「東北が育てる農業の未来」農業生産法人 株式会社GRA CEO 岩佐大輝さん
農業を中心に事業を展開している株式会社GRAは、今年の1月、宮城県の山元町にトマトとイチゴの植物工場を設立した。
山元町はもともとイチゴが盛んな地域。しかし震災によりほとんどのイチゴ農園が壊滅してしまい、岩佐さんは「このままだとこの町がまずい。町自体がなくなってしまうんじゃないか」と懸念した。IT企業を経営した経験を活かし、もう一度ここでイチゴ農園をスタートしようと考えたのがきっかけだ。
農水省との連携事業で参画した「先端プロ山元研究施設」では、タネから苗を作るまでの時間を短縮し、農薬を出来るだけ使わないようにする為の人工光の育苗室を作っている。人口光を使うことで計画的な育成が可能となった。環境はすべてコンピューターで管理されているため、市場の状態に合わせて柔軟に生産量を調整できる。また、農業者の知識や経験をプログラミングすることにより、農業の拡大や若手の参入に期待が寄せられている。
JICA(国際協力機構)との連携事業で、インドへの進出も始めている。プロジェクトの目的はインドの貧困層の人々が働く場所を提供することだ。貧しい村々にハウスを展開していく事が最終目的で、まずは温暖な気候のインドでイチゴが作れるのかどうかという実験に着手している。同時に、今山元町にある施設で「最先端の農業」の基盤作りが出来れば、世界に通用する、世界中で生産出来る農業法人の展開が出来ると考えている。
産業を強くする事で山元町の活性化を
高齢化率が30%を超える山元町。震災前の状況に戻すだけではなく、人口の減少と高齢化という問題を解決する必要がある。「都会の人の意識っていうのは、どんどん震災から遠のいていく。そうなる前に強い産業を作っておくっていうのは非常に重要かな」。故郷から世界へ展開していく農業ビジネス。これからの農業の可能性を追求している。
BS12ch TwellV
12月18日(火)、25日(火)18:00~19:00
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