♯41「福島・じまんの食に希望をのせて」有限会社良品工房 代表取締役 白田典子さん
株式会社JR東日本企画が運営するもののひとつに、未来への「じまんの一品づくり」プロジェクトがある。福島の食やお酒、工芸品をより魅力的なものにするため、商品開発・改良、販路拡大などの支援をする企画だ。コーディネーターを務める白田さんは「台所に立つ人の気持ちから発想した商品づくり」を心がけ、地域産品の商品開発や改良に携わり、全国を歩き回っている。活きているのは、10年間専業主婦をしてきた経験だ。
震災後、あちこちで開かれた支援販売やセールの動き。白田さんはそれを見ながら「はたして自分が自信を持って売れる商品だろうか」と疑問を膨らませていた。支援で買ってもらう商品では長続きしない。震災があろうがなかろうが、どこでも「欲しい」と言われる商品を作らなくてはいけない。
白田さんは、自分が会社を創業した当初に失敗を経験していた。ものが良いからといって売れるわけではなく、消費者は常に他の商品と比較している。自分の商品はどういう物と比較されるのか。視野を広げ、他の商品を知ることが大事だと語る。
パッケージや値段の見直しはもちろん、原材料の提案や農家の紹介もしている。地元で農作物が採れなくなり、売り上げが大幅に減少してしまった福島市の「みずほフーズ」には、これまでの繋がりを活かして徳島県の農家を紹介した。みずほフーズは、他県の原材料に福島の技を使うことで、無事伝統の味を継続させることが出来た。
「これしかないとかっていうふうに思わないで、もうちょっとフランクに緩やかに考えて、ものづくりをして良いんじゃないかな」。あちこちを飛び回った経験と情報を活かし、地域と地域を繋ぐ役になりたいという。未来への「じまんの一品づくり」プロジェクトは3月までだが、あくまできっかけで、これがお付き合いの始まりだと白田さんは笑った。
BS12ch TwellV
1月15日(火)、22日(火)、29(火)18:00~19:00
1月20日(日)、27日(日)早朝3:00~4:00