♯41「福島・じまんの食に希望をのせて」株式会社京都吉兆 代表取締役社長 徳岡邦夫

posted 2013/01/18 category 未来への教科書 Documentary Report

クッキーを通じて、福島の復興から一次産業の活性化へ

 「京都  吉兆」嵐山本店の総料理長の徳岡さんは、これまで慣れ親しんできた和食ではなく、クッキーでの復興支援を思いついた。クッキーを通して世界中に福島の食の安心安全、そして日本の農作物の美味しさを伝えていくプロジェクト。現場の人々の声を直接聞き、世界中の人から親しまれているものをと考えた結果だ。1年半かけて作り出した、世界に羽ばたくクッキーとは。

世界一安全なクッキーであるために

 クッキーが完成に近づいた2012年11月23日、徳岡さんは再び福島を訪れた。安心安全なクッキーであるために、放射線測定器の視察が必要だった。震災後、測定器の精度は改良され、手間も時間も大幅に短縮されている。しかし今はお米だけが対象で、他の農産物を全量検査できる測定器はまだ研究を重ねている状態だという。

大事なのは、クッキーに込められた物語

 クッキーの製造は会津若松市にあるベーカリー&カフェ「コパン」に依頼した。障がい者の方たちの自立を考え設立された障がい福祉サービス事業所で、障がい者の方たちが製造に携わったパンやコーヒーを食べることができる。

 クッキーには県産のそば粉と福島産の原料が使われている。中でも一番大事なのは、何故作られたのか、どういう食材を使い、どんな思いが込められているかという「情報」だという。コーヒーの進む味に、確かな手ごたえを感じた。

これから何を目指していくのか

 スタートから一年半、やっと安全と言えるクッキーが形になった。その間に知った福島の人々の努力や、それに関わった人のことを、もっとたくさんの人に知ってもらいたいと徳岡さんは語る。「まだまだたくさん出来る事があるんじゃないかな」。まだスタート地点に立ったばかりだと、これからの可能性に思いを馳せた。

 クッキーは2013年2月8日〜14日に丸ビル1Fマルキューブで開催される「バレンタインフェア」でお披露目される予定だ。

BS12ch TwellV

1月15日(火)、22日(火)、29(火)18:00~19:00
1月20日(日)、27
日(日)早朝3:00~4:00