未来への教科書-For Our Children-第89回「過去と繋がり、未来をつくる~福島県での食に関する2つの取り組み~」

posted 2015/01/14 category 未来への教科書 Documentary Report

89回 過去と繋がり、未来をつくる~福島県での食に関する2つの取り組み~

清水薬草有限会社 清水琢さん/人と種をつなぐ会津伝統野菜 長谷川純一さん

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  清水琢さんは、清水薬草有限会社として福島県喜多方市で生薬を製造・販売している。

 東洋医学が見直され、医療機関で漢方を処方する量が増えている現在、2011年には清水薬草も過去最高の売上を計上する予定だった。しかし、東日本大震災によって起きた原発事故によって事態は一変する。薬草の主な供給地であった飯舘村などは放射能の影響により供給が絶たれ、売上は大幅に減少した。

 そこで新たな事業に挑戦する。それは御種人蔘の生産である。御種人蔘は別名で高麗人蔘とも呼ばれ、漢方の王様的な存在として会津地域で300年の歴史を誇っている。しかし、中国産などの台頭により生産者は大幅に減少してしまった現状がある。

 清水さんはこの御種人蔘を復活させ、生産や加工の技術を後世に残すための事業に乗り出している。その途上で出会ったのは、会津の伝統野菜を栽培している長谷川純一さん。伝統野菜とは、会津の風土に合わせて古くから作れていた野菜で、味や見た目などこの地でしか作れない個性的な特徴を持っている。

 しかし、近代化の過程でこうした野菜たちは生産量を減らしていった。そんな現状を打破するべく長谷川さんは伝統野菜の栽培を続けている。今回は、こうした二人の活動に込められた思いと、伝統を未来へと繋ぐことの重要性に迫った。

 「序」http://youtu.be/z_ww1yNdxPY

 

未来がつながるプロジェクト 安齋朋大さん

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  福島市でイタリア料理店を営む安齋さんが代表を務める「未来がつながるプロジェクト」は、飲食店と生産者、消費者が対等な関係の中で食について考えていくことを目的としている。

 原発事故によって食というものを問い直さなければいけなくなった状況の中で見えてきたものは、自分で栽培したものを調理して食するという、かつて存在していたシンプルな生活スタイルだった。

 このプロジェクトでは、かつてのように生産し、調理し、消費するという行為を改めて一つにつなぎあわせることが意図されている。

 第1回目のイベントとして「未来をつなぐレストラン」が開催された。ここでは生産者が食材を持ち寄り、シェフが食材を最大限活かした形で調理し、消費者がそれを食する。

 それ以外にもシェフが料理法などを伝えるセミナーや、生産者と直接触れ合えるマーケット、プロジェクトメンバーによるディスカッションなどが開かれた。こうしたプログラムには、食について考え、感じ、味わいながら意識を変えていき、生活そのものも変えていくためのきっかけづくりになってほしいという思いが込められている。

 今回は、未来がつながるプロジェクトの活動を通して、震災によって変化した食への意識をいかにして共有し高め合っていけるかについて迫り、それを未来へと繋いでいく取り組みに迫った。

 「序」http://youtu.be/Z3Xxmin4Yas

 取材期間 20141127日~1225

 放映日 2015120日(火) 18001900

    124日(土) 27002800  127日(火) 18001900  131日(土) 27002800