未来への教科書-For Our Children-第92回「原発事故を乗り越えて」
未来への教科書-For Our Children-第92回「原発事故を乗り越えて」
東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発事故。この事故により、放射線の影響があると見られた地域の人々は避難を余儀なくされた。
避難した人々も戻ることを決意し活動を再開した人々や、それすらも叶わず避難生活をし続けている人々とに分かれ、震災から4年が経とうとしている今でも原発事故の影響は大きな爪あとを残している。
今回は南相馬市で障がい者ために就労継続支援B型事業所やグループホームなどを展開しているNPO法人あさがお、そして、全村避難となった飯舘村の避難先の一つである福島市に新しく設置した「子育て支援センター すくすく」の様子を取り上げ、原発事故という災厄を乗り越えて生きる人々たちの様子を追った。
NPO法人あさがお 理事長 西 みよ子さん
福島県南相馬市にあるNPO法人あさがおは、障がい者の居場所として2002年に「小規模作業所あさがお」から出発した。障がい者の方々が社会参加するための訓練所である就労継続支援B型事業所「きぼうのあさがお」や、生活する場所がない障がい者たちが生活援助を受けられる共同生活援助施設「いやしの家」などさまざまな事業を展開している。
そんなあさがおも福島第一原発から30kmほどの距離にあったため、震災後スタッフ、施設利用者(メンバー)共々避難生活を強いられた。しかし、慣れない環境ということもあり体調を崩すメンバーが続出。避難生活も限界が近づく中、理事長である西さんは南相馬市に戻ることを決意する。
現在、様々なところに原発事故の影響が残る中、障がい者が生活しやすい環境を作るために模索し続けるあさがお。今回は2015年2月にスタートした多機能事業所「ともに」の様子も交えながら、あがさおで働くメンバーたちの1日を追った。
<序>http://youtu.be/Ulykdhc1ric
いいたて子育て支援センター すくすく
福島県飯舘村は福島第一原発から40kmほど離れながらも、風や地形などにより原発事故の影響を大きく受けた地域の一つ。全住民約6000人は全員避難となり、福島市を中心にそれぞれ散らばった。飯舘村は避難指示区域に指定され、今なお村民は故郷に帰ることができずにいる。
そして、それぞれが仮設や借り上げ住宅に避難したことでコミュニティーが分断され、未就学児を抱える母親などが子どもの将来や進学先などの悩みを抱えながら誰にも相談できないといったような問題が浮き彫りになってきた。
そこで、三井物産の援助を受けて子育て世代を支援する施設「いいたて子育て支援センター すくすく」が開設された。今回は「いいたて子育て支援センター すくすく」で行われたイベントを通して、この施設が果たす役割を村長や子育て支援センターのスタッフなどに語っていただいた。
<序>http://youtu.be/jN1_erpolpw
取材期間 2015年1月17日~2015年2月10日
放送日 2015年3月3日(火) 18:00~19:00
3月10日(火) 18:00~19:00 3月7日(土) 27:00~28:00 3月14日(土) 27:00~28:00