未来への教科書 -For Our Children- 第52回「地域を診るということ ~ 石巻市から 」
宮城県石巻市。被災地の中でも取り分け大きな被害を受けたこの町では、今も16000人以上が仮設住宅で暮らす。中でも開成・南境地区の仮設団地は東北最大ともいわれ、約1900戸に4500人ほどが日々の生活を営んでいる。
その仮説団地内にある石巻市立病院開成仮診療所。「沢山の人々が暮らす地域に医療機関がないのはおかしい」という強い意思を持って石巻にやって来た長純一医師を所長として迎え、2012年5月31日にオープンした。
あれから一年。診療所と仮設団地はどのような状況にあるのか。
そこには2年を経て新たに生まれ、そして数年先の未来へも続く課題があった。全ての人がそうではないが、診療所に来られる方々のうつ、PTSD、認知症などの症状の裏側には仮設住宅での生活の難しさや、仮設団地内での人間関係によるストレスがある事が少なくない。
長医師は地域医療のスペシャリストとして行政や福祉、看護、介護、ボランティアなど様々な人々と地域住民の情報を共有する「エリアミーティング」などを定期的に開催し、医療だけではなく住民の生活や居住環境なども含めた広い視点で地域を“ みる ”。
「今だけではなく、数年後に住民たちが仮設から復興住宅に移っていく時に、人間関係やコミュニティの困難がきっとまた出てくる」との想定から、その時を見据え、地域づくりや町づくりの視点も持ちながら地域を包括的にケアするという取り組みを始めているのだ。
「地域を診る」とはどういうことか。長医師と開成仮診療所の活動を4日間に渡って追った。
7月2日(火)17:00~17:59 / 7月6日(土)27:00~28:00
7月9日(火)17:00~18:00 / 7月13日(土)27:00~28:00