未来への教科書 第58回「見えてきた小さな風、復興の姿」

posted 2013/09/28 category 未来への教科書 Documentary Report

第58回「見えてきた小さな風、復興の姿」
震災から2年半、いま被災地の復興はどのように進んでいるのか。以前番組で出演頂いたキーパーソンを再取材し、被災地のいまをお聞きした。

東北大学大学院環境科学研究科 教授 工学博士 石田秀輝
環境制約が厳しい2030年で豊かに暮らすライフスタイルを描き、そこに必要なテクノロジーを自然の中から見つけ出し、新しいテクノロジーとしてデザインし直す。そうした一連の概念を元にネイチャーテクノロジーは新たな学問として注目されている。現在は、ネイチャーテクノロジーは文部科学省より認可を受け、多くの研究者たちと共に様々な実証実験が進むなどその動きは活発になっている。
しかし、震災によって見えてきた90日経つと人々の行動は元に戻るという事実はこれからの未来を考える上で大きなポイントになる。ネイチャーテクノロジーが出来ることについてお伺いした。


株式会社 松弘堂 代表取締役社長 松本俊彦
昭和6年創業の「松弘堂」は印刷業を営み、地元に根付いた企業として70年以上事業を行ってきた。しかし、震災により会社は全壊、設備も全て津波に流された。震災後、会社は存続させなければいけないという思いから、別の場所で会社を再建。従業員の数は半分になったが、なんとか事業を再開させた。
 石巻は今回の震災で、全企業の約67%(約1800社)が被災した。特に水産加工業者は、被害が甚大で深刻な問題になっている。水産加工業を営む中小企業が中心に連携し、復興のために、「いしのまき被災企業“元気”元気復興委員会」を立ち上げ、松本さんはそこの会長を務めている。
各会社が持つ商品を詰め合わせにし、販売してきた。今では、商品のラインナップが増え、協力してくれる企業も増え、着々と新しい風が吹きつつある。


一般社団法人名取市観光物産協会
一般社団法人名取市観光物産協会は、震災後に復興部会を立ち上げ、様々なイベントの運営や、観光復興を目指し「復興桜」の植樹活動などを行ってきた。その中でも、地域に昔から伝わる先祖供養の灯篭流しの復活に尽力してきた。
2011年、12年と灯篭流しや絵灯篭のイベントを開催してきたが、震災から2年を迎えた今年3月10日の追悼イベントは悪天候のため中止となってしまった。
8月13日、並べられなかった絵灯篭を使った「閖上追悼イベント2013」が開かれた。日本全国や海外から集まった絵を貼った絵灯篭2500個と、キャンドル2000個を閖上中学校の校庭に並べ、震災で亡くなられた方を追悼し、復興を願うイベントである。並べられた絵灯篭には、故人への追慕や故郷への思いが込められている。催しの様子を追った。

放送
10月1日(火) 18:00 ~ 19:00
10月5日(土) 27:00 ~ 28:00