未来への教科書-For Our Children- 第59回「エネルギーから見えてくる未来」

posted 2013/10/10 category 未来への教科書 Documentary Report

NPO法人 再生可能エネルギー推進協会
NPO法人再生可能エネルギー推進協会(通称:REPA)は、再生可能エネルギーの研究と普及によって地球環境に優しい社会作りに貢献することを目的に、2006年に設立された。
REPAは、震災後の2011年8月から、福島県伊達市の霊山町で「霊山プロジェクト」という復興支援プロジェクトを手掛けている。稲作や果樹栽培などの盛んな自然あふれる農村であったこの地域は、震災後の高い放射線量のために地域内に特定避難緩衝地点が設けられ、農作物の出荷停止や作付け禁止などの措置が取られていた。
その中でREPAは、高線量で出荷できない農作物や雑草、生ごみなどを利用したメタンガス発酵実験を現地住人、大沼豊さんの協力を得て進めている。発生したメタンガスは家事や農作業などに利用し、発酵後の残渣物を取り除いた液肥を堆肥として農地還元することも期待されている。
また、同じく現地住人、大波盛雄さんの水田を借りた水田除染プロジェクトも同時に推し進めている。10区画に区切った水田に竹炭を入れるなど様々な条件を作り、そこで収穫される米の放射線量や収穫量を調べるというものである。この地域の農業の再生に向け、放射能とどう向き合うかを模索するものである。
それまでにない新しい技術を使い、地域を生まれ変わらせようとするこのプロジェクトは、有機農業に取り組む農場の視察や住民との対話会を経て、大きな広がりを見せている。
これからの復興を考える中で、一つのモデルとなりうる可能性を秘めている霊山プロジェクト。その活動を追った。

岩手大学工学部 電気電子・情報システム工学科教授 高木浩一さん

岩手大学工学部、電気電子・情報システム工学科教授の高木浩一先生は、雷などの高電圧プラズマや電気エネルギーの研究・応用を専門分野としている。またその傍らで、2005年より小学生など子どもを対象としたエネルギー体験教室を開くという活動を続けている。
様々なエネルギーの基本的なことを分かりやすく教え、見せ、そして体験させるというものである。
震災以後、この教室での教え方には変化があり、火力、原子力、太陽光など沢山のエネルギーについて、それぞれのリスクとベネフィット(利益)を注意して教えるようになったという。
「これからのエネルギーという観点において、沢山の可能性の中から、自分で理解し、選択していく人間になってほしい」と先生は話す。そのため、こういった体験教室のような子供たちが学ぶ場をもっと増やしていきたいという。
大学での体験教室の様子や、夏休みに行われた親子体験教室の様子も交えながら、お話を伺った。
放送日  
10/15 (火)18:00~19:00
10/22 (火)18:00~19:00