「海のサムライ」プロジェクト(仮)始動!
9月27日(火)、宮城県気仙沼市唐桑町の漁師/佐々木さん、唐桑Boys/崔くん、余力くんを訪ねました。
メンバーは、復興支援メディア隊からは代表榎田、(有)マイティー千葉重 千葉さん、
(株)あおいビジネスソリューションズ 渡辺さん。
今回の訪問では、同じく気仙沼市内の(株)斉吉商店(廻船問屋業・水産物卸・小売業・
水産加工品及び製造業)/斉藤さん、
島根県から氷感技術を持つ(株)フィールテクノロジー/三谷さん、
福島にて氷感技術のトラックを実用化、販売代理店/沢田さんにもお越し頂きました。
震災時、命懸けで船を守り、既に漁に出始めている佐々木さんの課題は、
「漁をしてきても、魚をあげる場所がなく、物流にのせられない」ということ。
これは市場がない為です。
これまで市場が、水揚げ、冷蔵/冷凍の設備、魚の解体等、物流にのせて運ぶまでを担っていました。
立地の問題や町全体の復旧計画を考案する中、市場の復旧を待っていると、最低でも5年はかかると言います。
港町でその間、漁が出来ないということは、唐桑、そして気仙沼全体の復興が遅れることになります。
そこで、新しい物流が出来ないか?ということで、今回のメンバーが集まりました。
市場のような施設の代わりに、「氷感」という技術をのせたトラックを使うのです。
トラックという、移動可能な設備で、更に「冷凍/冷蔵」の代わりに、「氷感庫」を使います。
※この技術についてはこちらをご覧下さい。
氷感の特徴は、食品の劣化が遅くなり、食品のアミノ酸が増え、美味しくなるという点です。
これまで、漁師さんは、「ものすごく良いもの」が獲れたとしても、長い物流を経る過程で、
なかなかその美味しさを維持したまま、消費者に届けることが出来ませんでした。
この課題も解決してしまいます。
また、市場から仲買、量販店と魚が流れていく中で、漁師さんが利益を得にくい仕組みになっていました。
「漁師=儲けられない」という仕組みで、後継者不足もありました。
その点を、新しい販路を作ることで、解決しようということで、千葉さんの出番です。
宮城をはじめ、全国を飛び回る、インターネットを活用した販路、小売り販売、
ブランティングのスペシャリストです。
それを唐桑Boysが佐々木さんに密着してサポートします。
そもそも、メカジキ等の大きな魚はそのままでは物流にのせられませんし、鮮魚そのままでは、
販路が限られますので、加工品を作る案が上がりました。
そこでこれまで1次加工はしておりませんでしたが、斉吉商店さんが快く、
「佐々木船頭の魚、うちで是非やらせてください!」と手をあげて下さいました。
そして最後の難関、資金面や諸々のクリアしなければいけない課題は、金融のプロ、渡辺さんです。
この、新しい物流プロジェクトにより、気仙沼に「仕事」が生まれるのです。
今、現地で必要なものは「仕事」(雇用)です。
復興支援メディア隊の役目は、「被災地の方の声を聞き、伝える」こと。
生の声を伝えることで生まれる「新しいビジネス」を、これをモデルに他にも繋いでいきたいと思います。
全てが人のつながり。
自分が困っているときにこそ、誰かの為に何かをしたい。
ここに集まった人々は、そういった方々です。
若者が故郷を離れ、都会で仕事をする人が増える東北の沿岸地域。
しかし、自然豊かなこの地で、近い将来、
「ここで漁師になりたい!」と、子供たちからの声が上がる日が来る。
このメンバーを見て、そう確信しました。
復興支援メディア隊・石山静香