「海のサムライ」プロジェクト(仮)始動!

posted 2011/09/29 category Blog, Midium Report

9月27日(火)、宮城県気仙沼市唐桑町の漁師/佐々木さん、唐桑Boys/崔くん、余力くんを訪ねました。

メンバーは、復興支援メディア隊からは代表榎田、(有)マイティー千葉重 千葉さん、

(株)あおいビジネスソリューションズ 渡辺さん。

今回の訪問では、同じく気仙沼市内の(株)斉吉商店(廻船問屋業・水産物卸・小売業・

水産加工品及び製造業)/斉藤さん、

島根県から氷感技術を持つ(株)フィールテクノロジー/三谷さん、

福島にて氷感技術のトラックを実用化、販売代理店/沢田さんにもお越し頂きました。

 

震災時、命懸けで船を守り、既に漁に出始めている佐々木さんの課題は、

「漁をしてきても、魚をあげる場所がなく、物流にのせられない」ということ。

これは市場がない為です。

これまで市場が、水揚げ、冷蔵/冷凍の設備、魚の解体等、物流にのせて運ぶまでを担っていました。

 

立地の問題や町全体の復旧計画を考案する中、市場の復旧を待っていると、最低でも5年はかかると言います。

港町でその間、漁が出来ないということは、唐桑、そして気仙沼全体の復興が遅れることになります。

 

そこで、新しい物流が出来ないか?ということで、今回のメンバーが集まりました。

市場のような施設の代わりに、「氷感」という技術をのせたトラックを使うのです。

トラックという、移動可能な設備で、更に「冷凍/冷蔵」の代わりに、「氷感庫」を使います。

※この技術についてはこちらをご覧下さい。

氷感の特徴は、食品の劣化が遅くなり、食品のアミノ酸が増え、美味しくなるという点です。

 

これまで、漁師さんは、「ものすごく良いもの」が獲れたとしても、長い物流を経る過程で、

なかなかその美味しさを維持したまま、消費者に届けることが出来ませんでした。

この課題も解決してしまいます。

 

また、市場から仲買、量販店と魚が流れていく中で、漁師さんが利益を得にくい仕組みになっていました。

「漁師=儲けられない」という仕組みで、後継者不足もありました。

その点を、新しい販路を作ることで、解決しようということで、千葉さんの出番です。

宮城をはじめ、全国を飛び回る、インターネットを活用した販路、小売り販売、

ブランティングのスペシャリストです。

それを唐桑Boysが佐々木さんに密着してサポートします。

 

そもそも、メカジキ等の大きな魚はそのままでは物流にのせられませんし、鮮魚そのままでは、

販路が限られますので、加工品を作る案が上がりました。

そこでこれまで1次加工はしておりませんでしたが、斉吉商店さんが快く、

「佐々木船頭の魚、うちで是非やらせてください!」と手をあげて下さいました。

そして最後の難関、資金面や諸々のクリアしなければいけない課題は、金融のプロ、渡辺さんです。

この、新しい物流プロジェクトにより、気仙沼に「仕事」が生まれるのです。

 

今、現地で必要なものは「仕事」(雇用)です。

復興支援メディア隊の役目は、「被災地の方の声を聞き、伝える」こと。

生の声を伝えることで生まれる「新しいビジネス」を、これをモデルに他にも繋いでいきたいと思います。

 

 

全てが人のつながり。

自分が困っているときにこそ、誰かの為に何かをしたい。

ここに集まった人々は、そういった方々です。

 

若者が故郷を離れ、都会で仕事をする人が増える東北の沿岸地域。

しかし、自然豊かなこの地で、近い将来、

ここで漁師になりたい!」と、子供たちからの声が上がる日が来る。

このメンバーを見て、そう確信しました。

復興支援メディア隊・石山静香