#28「居場所を作るために」復興支援団体SET 共同発起人 三井俊介さん
「現在の活動の原点は大学時代の勉強にありました」。
東京の大学でカンボジアなどの海外支援の仕組みを学んでいた三井さんは4年生になる直前に都内で震災に遭う。東京にいてもできることはないか―。震災の夜から友人らに呼び掛けた。そして2日後の13日、復興支援団体SETを立ち上げ、被災地への支援物資の橋渡しを始めた。活動を続けるうちに、支援が届きにくい陸前高田市の広田町の存在を知らされた。
広田町は3700人が暮らす集落で、少子高齢化が進んでいる。半島の先端にあるため、がれき撤去などの作業にも遅れが目立った。仲間の若者と共に定期的に現地に入り、津波の被害地図の作成や、被災者の話し相手、物資の仕分けのほか、農業や漁業の手伝いなどに汗を流した。
豊かな自然、温かな人たち、都会とはまったく異なる価値観。
活動を通して、広田町には都会とはまったく異なる価値観があることに気付いた。津波に向かって沖へと船を出した漁師さんの話は鮮烈だった。先祖代々受け継がれた大切な船を守った行動。「また買えばいいじゃん」。そう思う自分がなんだか恥ずかしいような気持になった。
現地に腰を据えて支援をしたい。2012年4月、そんな熱い思いを胸に、卒業と同時に広田町に移り住んだ。
このままいけば限界集落の道をたどるに違いないこの町で、よそ者の自分にできることは何か。そして、よそ者にしかできないことは何か。町の存続だけではなく、多くの人が訪れてくれるような町にすることが自分の使命だと語る。
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BS12「未来への教科書-For Our Children-」 #28 居場所を作るために~岩手県陸前高田市~
放送日 7月3日(火) 18:00 ~ 19:00 ※プロ野球中継のため休止 /7月7日(土) 27:00 ~ 28:00 /
7月10日(火) 18:00 ~ 19:00 /7月14日(土) 27:00 ~ 28:00