♯44「バッグが織り成す復興への思い~四万十ドラマとLOOM NIPPON~」一般社団法人 LOOM NIPPON 代表 加賀美由加里さん

posted 2013/03/04 category 未来への教科書 Documentary Report

「郷土愛」を意味するLove of Our Motherland

 ファッションブランドの老舗「ランバン」や最も長く続いている世界最古の服地販売「ドーメル」など、ファッション業界の第一線で活躍してきた加賀美さん。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた日本の姿に、今までにない大きな衝撃を受けたという。被災地の雇用創出や産業復興のため、「Love of Our Motherland」という言葉から頭文字を一つずつ取り、「LOOM NIPPON」という名の一般社団法人を立ち上げた。ファッションでの復興、その思いとは。

桜は被災地の人々の希望、そして鎮魂

 LOOM NIPPONの活動の柱の一つに「SAKURA PROJECT」がある。津波により木々が流されてしまった地域に桜を植樹するプロジェクトだ。植えた桜が成長するまでにかかる、20年という歳月。被災地の子ども達が桜とともに育ち、多くのときを共有すること、彼らがその記憶を更に自分たちの子供に受け継ぐことを願い、3,000本を目標に植樹を続けている。

もうひとつの柱、「LOOM BAG

 大きな被害を受けた町のひとつである宮城県の南三陸町。町の雇用創出や地域復旧復興支援を目的に、アストロ・テック社に受注依頼してバッグを制作している。「LOOM BAG」と名付けられた皮のバッグは南三陸町の女性たちによって受注生産され、様々な評価を受けているという。復興を願いながら織られるバッグに、人々の注目が集まっている。

バッグだけではない新たな動きの模索

 2012年12月には繋がりある企業を招き、新商品の打ち合わせもされた。ファッションを地場産業として根付かせるため、継続的に生産し続けることが重要だという。

 加賀美さんは日本の物づくりに、分かち合い思いやりを持つ心を見出している。これまでの経験全てが“LOOM”に活きている。「これをやるために今まで仕事してきたんだって思ってます」。ですからこれからです、と目を輝かせた。

BS12ch TwellV

3月5日(火)、12日(火)18:00~19:00
3月10日(日)、3月17
日(日)早朝3:00~4:00